むし歯の治療・予防

むし歯といえば、どんどん歯が溶けていくというイメージがあるかと思います。
お口の中には無数の細菌がひそんでいますが、むし歯の原因菌が活発になることで酸を放出し、歯を溶かしていきます。これがむし歯となります。
むし歯は初期の段階であれば、簡単な処置で改善することができます。しかし、穴が開いて黒く見えるようになると、患部を取らなければどんどん症状が進行してしまいます。むし歯を放置するとズキズキと痛み、細菌が歯の中にある神経まで到達し、歯の神経が死んでしまうことになりかねません。
「早期発見・早期治療」が大切だといわれるのは、進行する前に食い止める必要があるためです。それでも治療が怖いためになかなか通院できない方もいます。当院では痛みを抑えた治療を行なっていますので、安心してご相談にいらしてください。

歯の治療は、神経にも影響する可能性があるため痛みを感じやすいものです。
また、歯科治療に対する恐怖心の強い患者さまもいるかと思います。
当院では、治療が怖いと思っている患者さまにも安心してご来院いただけるよう、痛みを軽減するためのさまざまな取り組みを行なっています。
特に気を付けているのが、麻酔の方法です。
麻酔は痛みを軽減するためのものですが、麻酔を注入する際には注射が必要となるため、どうしてもそのときに痛みが生じます。そこで、注射の痛みを軽減する表面麻酔や、注射前に麻酔液を体温近くまで温めるなど、患者さまが痛みを感じにくくなるための工天をしています。また、治療中に患者さまが痛みを過度に我慢しないよう、お声がけもしています。

歯の治療では、痛みを伴うような内容の場合は麻酔を使うことがあります。しかし、歯肉に麻酔の注射を打つときには刺激がダイレクトに伝わるため、患者さまが痛みを感じてしまいます。当院では注射をする前に、歯肉に表面麻酔を施しています。
麻酔効果のある液体を患部に塗布します。注射器を使わないので、塗布するときには痛みがありません。そのうえで注射をすることにより、針が歯肉に刺さったときの痛みが軽減されます。
また、麻酔液の注入の仕方も工夫しています。まずは歯肉の柔らかい部分に少し注入し、さらに奥の硬いところは何度かに分けてゆっくりと注入を繰り返します。
この方法によって麻酔時の不快感が少なくなります。

麻酔注射前に表面麻酔を施すものの、それだけでは万全の痛み対策ができているというわけではありません。例えば、注射の針の太さは注入時の痛みにも影響します。なるべく患者さまに痛みが伝わらないよう、極細の針を採用しています。針の太さは33G（ゲージ）と呼ばれる約0.2mmのもので、一般的な注射針よりも細くなっています。歯科の業界ではもっとも細いサイズとされており、注射時の痛みが軽減されます。
また、当院では麻酔液を体温に近い温度まで温めてから注射をしています。麻酔液が冷たいままでも注入時に痛みが生じるので、刺激が少なくなるように配慮しています。麻酔ひとつでも丁寧に段階を踏み、患者さまが安心して治療を受けられる環境を整えています。

むし歯の治療は、ドリルで歯を削るというイメージを多くの人がもっていると思います。たしかに、むし歯がある程度進行してしまうと、ドリルを使って患部を削らざるを得ません。しかし、むし歯の初期の段階で気付くことができれば、歯を削らずに治療することができます。このように、むし歯は早期発見・早期治療によって、簡単な処置で済ませられるのです。
むし歯になりたての段階は、まだ歯に穴が開いていません。歯には再石灰化によってダメージを修復する能力があるので、それを促すためのケアをすることにより、むし歯を改善することができます。
ただし、初期のむし歯は自覚症状がないため、自分ではなかなか気付きません。定期的に歯科医院で検診を受けることで、むし歯を発見できるのです。

自分の歯で食事をするのは、若い方にとっては当たり前のように思われるかもしれません。しかし、歯の健康をおろそかにしてしまうと、年齢を重ねてから歯が抜けるようなことも充分にあり得ます。
定期検診に通っている患者さまと、歯が痛くなってから歯科医院を受診するという患者さまとでは、やはり定期検診に通っている患者さまの方が歯の健康状態がずっと良いと感じます。歯に異常を感じなくても、定期的に予防ケアを受けることが健康を維持するために必要なのです。
むし歯や歯周病といった病気は、初期の段階であれば歯を削ったりすることなく改善できます。また、ほかの病気を早期発見できる機会にもなるので、全身の健康維持のためにも検診を受けていただきたいと思います。

毎日皆さんがしている歯磨き。しかし、実際に正しい磨き方を習ったという方はどれくらいいるでしょうか？歯並びは人それぞれ異なり、汚れが残りやすいところも違ってきます。そのため、すべてきれいに磨いているつもりでも磨き残しが出てしまいます。
予防ケアの一環として、患者さまの汚れが残りやすいところを見てもらいながら、実際に歯ブラシを動かして正しい磨き方を指導しています。歯ブラシは持ち方を変えるだけでも、普段磨けていないところに届くようになります。これによってお口の中に歯垢が残らず、むし歯や歯周病になりにくい清潔な環境になります。
また、お子さまの検診では、ご家族の方にも一緒に見てもらいながら仕上げ磨きの方法をお伝えしています。磨き残しをチェックしていただくことで、むし歯のリスクをさらに抑えられます。